私は社会化のドッグトレーナー@犬の森

犬の森発 吠える咬む犬の問題行動研究所 @小田原

思春期シリーズ最終回です



そろそろ思春期のお話も終わりにしようと思います。
けれど、犬育てには待ったはかけられませんね。
困った時、悩み事はいつでも記事内容に関わらず
コメントしてくださってOKです。
またメールまたはメッセージでお知らせいただければ
出来る限りのお話をさせていただきたいと思っています。


そうそう、ここにきて大事な事を書き忘れました。

思春期が訪れる前の時期、社会化期ですね
このころのトレーニングはやめておいてくださいね。
え~~~~~~っ
ですか?
これは最近特に考えるようになった事です。
少しお話させてください。

やめておいて欲しいトレーニングは、いわゆる服従訓練といわれるもの。
スワレ、マテ、コイ、ツケ、フセなど・・・
遊びの延長で行うのはOK。
でも、大抵命令口調で、大きな声で指示出しませんか?
これは子犬の心にダメージを与えますね。
もっと優しくお願いしたいです。

昨日の話(がさつさも美徳だ)に矛盾すると思いますか?
犬たちは、痛みよりも苦しみによって、心がダメージを受けるということです。
まず、安心できる優しさを。
そして遊びの時には少々ハードに。
社会化期の脳の成長のためには、早すぎるトレーニングは逆効果かな?
と感じる時があります。

何にも出来なくても大丈夫。
基本的なこと、トイレ、ハウス、甘噛み。
これらを徹底的に犬の行動を考えて教えられれば
その他のことはいずれ覚えていくはずです。
最初が肝心なのは、もう一度言いますが、
トイレ
ハウス
甘噛み
です。今までこれらについてお話ししてきましたが、
いずれも強制的に教える事はNGでしたね?
まず、
犬が喜んで飼い主さんの指示に従える、
指示に従うことが楽しくてしょうがない関係を作っておきましょう。



そして、何度でも言いますが
恐怖は伝染します。
大げさに犬の怯えに反応しないでください。
これは成犬になってからもず~っと必要なことですよ。

犬にとって人間社会で生きていくことは
想像以上に過酷なことだと思います。

まして昔よりも私たちは、自然から切り離された生活をしていますので、
犬はさらに大変なんじゃないかな?
と気の毒になります。

だから、
子犬の社会化期には、何より
人間は優しく尊敬できる
これを教え込むことのみに集中していただきたいと思います。

そして、様々な人、物、音、動物に会わせてください。
怖いなと思った時には飼い主さんが「港」になって
犬が自分で怖さを克服できるように、そばにいてあげてください。

その積み重ねがあれば、思春期、また真の自立期のホルモン的な大波に
もまれて自分を見失う、
そんなことにはならないはずだと思います。
頑張りましょう。





追記:ハウス、というのは号令とともにハウスに入ることではありませんよ。
ここを勘違いしている方が見受けられます。制限された場所におとなしくいられること
これが「ハウス」です。
まだ迎えて間もない頃に、自分の居場所を制限された方が、いたずら防止、事故防止になりますし、何よりも心の落ち着きが早くなります。自制心がつきますので。



不適切なタイミングでの慰め

      

思春期シリーズもぼちぼちエンディング(?)ですかね?

早い時期に母犬から引き離されて、
飼い主さんによって社会化が施されずに思春期を迎える・・・
またペットショップなどで社会化の大事な時期を過ごす事によって
お外の世界を知らずに、
自分が犬であることを忘れてしまったかのようにふるまう・・・

そんな小さな命を、
飼い主さんは壊れ物を扱うように
大事に育てすぎていませんか?

乱暴にしなさい、ということではないですよ。

2~3ヶ月の社会化期には、少々手荒な扱いにも
すぐに立ち直りを見せるものです。
がさつさも美徳であったりします。
また、
甘噛みの矯正は、この時期が勝負です。

首をつまんで軽く振ってみたり、横に押し倒して動きを止めたり・・・
母犬または教育係の犬になったつもりでお願いします。
子犬も小さいながら負けてはいないでしょう。

でも・・・
みなさんこの時期大事にし過ぎてませんか?
酷い例では(未だにありますかね?)
ダンボールに入れておきなさいとか・・・

サークルの前を歩く時、そ~っと音を立てないように歩くとか
皆で小声で話すとか。
気を使いすぎていないでしょうか?

挙句の果てには、少しつまずいて転んだり、
家具の角でぶつけたりした時に、大げさに騒いで
慰めるようなこと、していませんか?

犬は観察の名人です。

しかも恐怖は伝播する、という動物界の法則があります。

これ、重要ですよ。

言い換えると、恐怖は、飼い主さんの態度で定着してしまう、
ということです。

たとえ社会化のトレーニングに精を出しても
基本的に飼い主さんがおっかなびっくり命を育てれば
みょうにびくびくした犬に育ってしまうものです。

犬はあなたを見て(観察して)何を恐れるべきかを学ぶのです。

だから、
リーダーはいらない、などと言わないで
無理にでもなってください。(なるように努力してください)
特に社会化期に必要なのは
犬がびっくりしたときに心を落ち着かせられる場所です。
錨を下ろせる港、みたいなものですかね。

毅然と生きることは犬に
生き方を教えること示すことだと思います。
それはリーダー的な姿勢ではないかな?

ちょっとした犬の怯えに過剰に反応して
「大丈夫~、怖かったわね~。よしよし・・・」
と犬を慰める。自然に出てしまいますよね。
けれど、犬同士は大げさに慰めあいませんね?
だから犬同士で育つ間は、神経症的な問題があまり起こらないのです。
飼い主さんの過剰な反応が、
「怖いこと」を決定付けてしまうのです。

恐怖は伝染する、このことを覚えておいてください。

あなたは一日に何回犬を褒めていますか?



以前の記事、
思春期への心構えで
褒め方が悪い云々、というお話をしましたね?
そこでお聞きします。
犬を迎えてから今まで、
あなたは一日に何回、犬を褒めていますか?

「ええ、私は何回となく褒めていますよ。TVを見ながらだって
甘えて撫でろとお腹を見せる犬に、
いいこだねぇ~、と言いながら褒めたりしてますけど。」
・・・
う~~~ん、どうでしょう?

これは褒めてはいないかも?

褒める、ということは可愛がるとかスキンシップ
または慰めとは違います。

褒めるということは
犬が正しい行動をしたときに、
「そう、それでOK。正しいよ。」
ということを伝えることです。

褒め方は、簡潔に
「よし!」
です。
「えっ!?」
と犬があなたを見上げたら、タイミングよく
褒めが伝わった、ということです。

飼い主さんの指示→犬の行動→「よし!」→犬は「そうか、これか」と思う。

書いてみると恥ずかしいくらい当然極まりないルールですが、
多くの場合、出来ていません。


オスワリを犬にさせてみてください。と飼い主さんに言うと
「おすわり」
で犬は座ります。
飼い主さんは・・・
大抵、無言なんですね。

座って、正しい行動をしたのにも拘らず、正しいよという合図が聞こえなければ
犬はその行動に半信半疑になるでしょう。
犬は褒め、という反応を得て初めて、
その行動が正しかったということを学習するのです。
褒める、犬が褒めを受け入れる。
それがトレーニングです。

トレーニングとは一方的に何かをさせることではないと思います。

「指示には従うけど、嬉しくも楽しくもない。」
褒めることがないとだんだん無気力になります。
せっかく覚えた内容もいつの間にかできなくなってしまうかもしれません。

また、褒め方も今は皆で
「よ~し、いいこだねぇ~」
ですが、思春期のチョイグレ犬には簡潔な、男性的な
「よし!」
の方がぐぐっと響くかもしれません。


もちろん、褒め言葉はYESでも、GOODでも何でも
あなたの気持が一番伝えやすい言葉でOKです。

そして、
一日に何回も褒めたいのであれば、何回も指示する事です。
ほったらかしでは犬は育ちません。
密度の濃いふれあいの時間をぜひ作ってみてください。



食べる振り?



これに至っては(4項目め)吹き出してしまうほど
馬鹿馬鹿しいと思われるでしょうね。

まあ、やってみてください。

特に、食べ物を守りたがる犬、
要求の強い犬、飼い主さんが犬が気になって食事できないケース、
これらにとても効果的です。

4項目共に、しっかり本で勉強されるともっと詳しく知ることが出来ます。
知っていても全然無駄にはならない内容ですので
お読みになるといいでしょうね。
副作用的なものは心配ありません。
犬の食事の支度をするときに、あなた用の食べ物を用意します。 ひとかけらのパン、リンゴでもビスケットでも。 犬には何も声もかけずに、視線も送らず、犬の食器を床に置く前 犬の食事の前にあなたが、あなた用の食べ物を食べます。 しっかり食べ終わったら、おもむろに犬のご飯を床に置いて 「どうぞ」で食べさせます。 というもの。

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というものです。
黙々と、威厳を持って行いましょう。

見ている前でかわいそうだ、という心情は捨て去ってください。
あなたの犬を思いやる優しさは、犬にとっては弱さに繋がります。
犬は弱い人に守ってもらおうとは思いません。
自分に自信がなくても、さらに自信の無い飼い主さんを
守ろうとする、
そういう犬もいますよ。忠実ですよね。
それが犬の本能です。


さて、ボウルを下に置いて食べさせようとしても
犬は食べずにどこかに行ってしまったり、
不服そうにじっとしていたら、迷わず取り上げてしまいましょう。
飢えたりはしません。
ここで飼い主さんが「食べないの~?」
とオロオロすることは、犬にとっては弱い印象を与えてしまいます。

一番厄介なことは、
食べたくも無いのにボウル(餌)を守る行為に
発展させてしまう可能性があるがあることです。
飼い主さんのオロオロ状態が、犬に
「フードボウルはママを操縦できる道具」
と思わせてしまいます。
そこから、固執が生まれます。

確固としたリーダーシップとは犬の態度に左右されないこと。

犬の本能に働きかける行為は、馬鹿馬鹿しくても
行うが勝ちですかね。
人間は人間としての行動をそのまま犬に当てはめがちです。
それは犬を侮っていることになりませんか?
動物たちだってそれぞれの行動様式があるのです。
それを利用することも、犬の目線に立つことだと思います。


散歩の主導権を握る

    

アミシアン・ボンディングの3項目めです。

狩りに出かける場合、群れを率いるのは誰か?

です。

あなたはお散歩される人ではありませんか?
ということですね。

お散歩の主導権を握る
ということ。
絶対に前を歩かせない、ということではありませんが、
反抗期の犬の場合は、
リードをつけての歩き出し、出口、方向を変える時、
すべてにおいて後へつけてください。
肝心なのは歩き出しです。そのときに上手く制御できれば
犬は前に行かなくなります。
正しくは、行けなくなります。

チャイム吠えは危険を知らせている?


アミシアン・ボンディングの2項目めは、
群れが攻撃を受けたり、危険が迫ったりしている場合、
群れを守るのは誰か?

というものです。
手っ取り早く言ってしまうと、
チャイムが鳴ったりお客様が訪問した時に吠えるのは
群れに危険が迫った事を知らせているんだ、ということです。



本からの抜粋です。
犬のこの行動を理解する鍵も、やはり群れの原理にある。
自分を群れのリーダーだと思っている犬は、
巣穴を守るのも自分の役目だと思っている。
だから、こういう場合、犬は正体不明の脅威に反応を示すのである。
誰か、もしくは何かが自分の住処に侵入しようとしている今、それが誰なのか、もしくは何なのか、見極める必要があると犬は考える。
侵入者に立ち向かうのも、リーダーの責任だと思っているからだ。


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ここではチャイム吠えのトレーニングについては詳しく書きません。
またいずれお話させてください。

アミシアン・ボンディングの項目にこれが入っているということは
すなわち!
犬が自分で責任を負う必要がなくなれば、
チャイムに吠えなくなる、または吠えても指示によって
止めさせる事が出来るということ。
(一切吠えないようにお望みですか?
あなたはしゃべるな、と言われることは理不尽だと思いませんか?)

それを知っていただく事が重要だと思います。

逆に言うとですね・・・
飼い主さんのリーダーシップが取れていなければ
どんなに吠えを止めさせようとしても
犬は飼い主さんの前に出て、吠える事を止めようとはしないでしょう。

で・・・
即効的に
お酢のスプレーなんぞを吹きかけたり
変な匂いのするガスの出る首輪をつけられたり・・・
されてしまいます。

犬をコントロールできるように。
犬が吠えた時に、
「必要が無いよ、でも教えてくれてありがとう。」
という態度で犬を制します。
座らせたり、伏せさせたり。
「静かに」
という指示を出したのなら、吠えやむまで犬の前に立ちはだかってください。
犬の視界に入ることで注意を引きつけられます。
それでも言うことを聞かないようなら、
あなたに注意を払うこともないようでしたら
もう一度最初に戻って基本的なトレーニングとスキンシップをやり直しましょう。



馬鹿馬鹿しくても実践してみませんか?

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犬は人間のような思考回路をもっていませんから、理詰めで考える事は出来ません。
しかし、感情は豊かですので、
寂しいとか、悔しいとか、腹が立つ、
そういう思いはありますよね。
で、理詰めで考えられないので行動に直結してしまうのではないか、
そう思います。

そんな心の傷ともいえるものをリハビリするには
脳をトレーニングすること。
これが第一ですね。基礎的なトレーニングを毎日することで
脳を鍛える事ができます。
そして、本能に訴えることが、アミシアン・ボンディングです。
まず、
ばらばらになっていた群れが再度集まった場合、ボスは誰か?
これを考えましょう。

これは、お留守番をさせていて、帰った時の飼い主さんの取るべき行動です。
これは一日のうちに何度でも試すことができます。
実際にお出かけしなくても、犬がひとりぼっちになる機会があれば
それが試すチャンスです。
犬にとっては、たとえ飼い主さんがトイレに行ったとしても
すぐに帰ってくるとは考えられないですよね?
予測できないでしょうから。
なので不安になっています。ひとりで待っていることは。
アルファー要素を持っている犬は、帰ってきた飼い主さんのまわりを
うろうろして、飼い主さんがちやほやしてくれるのをまとわりついて待ちます。
(アルファー要素の無い犬については除外して考えてくださいね。)

その時何事も無かったように振舞わなければならない、ということ。
目を合わさない、撫でない、声をかけない。
「ひとりにしてごめんね~」
とばかりに、見つめて撫でる。
これらをすることによって、犬に敬意を払う事になる、
犬の世界ではそれはリーダーに対する行為だから。
ということです。

今日のポイント。
外出から帰った時、犬をひとりぼっちにした後、
犬がまとわりついてきたり、飛びついてきたり、吠えたり
じっと見つめても、
目を合わさない、撫でない、声をかけない。




アミシアン・ボンディング

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我が家のチャーリーの場合は
極度の引っ張り、
チャイムに吠える、
すれ違う自転車や人に反射的に飛びつく、
向かってくる自動車に吠えて飛びつく、
馴染みのない犬に尋常ではない警戒吠えをする、
猫に対する捕食行動、
食べ物に対する要求吠え・・・
ああ~、頭が痛くなりますね。

次回に続きます。


犬と向き合える準備はOKですか?



前にお話した、思春期の反抗の現われ方、
大きく分けて2種類とお話しました。

まず、社会化不足によって自信の無さから現れるもの。
これはお外では怯えるのに、お家の中では威張る、そういう現れ方。
原因は飼い主さんのカワイソウ主義。
何でもかんでも負担をかけないように犬を育てると
非常に扱いにくい犬になります。(これは多いかな)
怖がりなのに、何かを(テリトリー、食事、人、場所)を守る、
という行動に出やすい。

次は、真にアルファーな犬。
自信満々です。物事を恐れることがありません。
どんな犬にあっても恐れて吠えることはないでしょうし
飼い主さんの影に隠れる事もありません。
こういう犬は社会化期にしっかりしつけておくと
非常に優秀な犬に育ちます。
が、飼い主さんが主導権を握らないと、文字通り生活のすべてを支配されます。



この2種類ですね。(大きく分けるとです)
昨日お話した、外で怯える仔は社会化の不足によるもの。
で、これからお話しするタイプは、
どんな事をしても、優秀がゆえに飼い主さんに挑戦する犬の話です。

やはり、ホルモン的な問題。
母犬の妊娠中の一腹にオスばかりの中にメスがいた場合、
非常に強気なメス犬になることがわかっています。
そのくらい、ホルモンの働きは犬を支配します。(人間もそうですが)
思春期を経て、真に自立していくわけですが、
家畜化が進んだ犬は、あまりそれを表さないといわれています。
が・・・
やはりアルファー的な犬はいるようで、人間は試されますね。
優秀であるだけに、飼い主さんはレベルアップが必要です。
あとは遺伝子によるものですかね。
強いものが従える、弱いものは従うという。

ブログ村のアンケートで
犬の食事は飼い主さんより先か、後か?
または、犬の寝場所は?
というような質問をしました。
これは、多くの犬の場合「どちらでもいい」のです。
ただ、
犬が迷っている時は人間についてくるのだよ、という意味を込めて
敢えて
犬が見ている前でまず飼い主が食べる。(この方法は次回お話します)
出口の出入り、お散歩では
これ見よがしに犬を後につける、
など、
犬に一番わかりやすいように行動を見せる事が
犬を早く落ち着かせられる、そう信じてやっています。

まったく副作用は無い方法なので、
だまされたと思って日課にしていただくと、犬は変わってくるはずだと思います。
カワイソウ主義は捨てないと出来ませんけどね。

いろいろなしつけの本に書かれている内容ですよ。
食事は飼い主の後。
お散歩では前を歩かせない。
飛びつかせない。
一緒に寝ない。
外出の前後に大騒ぎして犬に挨拶しない。
等々・・・
多くの場合、どちらでも大丈夫なんです。ここは覚えておいてください。
ただ、犬が何か問題を抱えている?
と感じた時に、臨機応変に飼い主さんが上記の態度を取ることも
問題解決には役に立つ、ということです。
ポイントは、非暴力であることです。
暴力を使うと、問題がこじれます。
治るものも治らないです。
反射的な攻撃行動を定着させたいのであればどうぞ叩いてください、
というのは皮肉です。

思春期前のトレーニング



私は将来的に、問題行動を専門にやっていきたいと考えています。
なので、
なぜ、どのようにして
犬は問題行動を現すようになるのか、
そこに一番注目します。

子犬の6ヶ月頃までは様子見のかたが多くないですか?
しつけしつけと言いながら、
何とかなってしまうのがパピーの頃です。
犬は観察の名人(名犬)なので、飼い主さんのパターンを
よ~く観察して認識しています。

犬が精神的に成長して思春期になったとき、
「これから生きていくのに、本当にこの人の元で大丈夫なんだろうか?」
と思うかどうかはわかりませんが、
そう思っているんではないか、と想像してしまえるような行動が
思春期での反抗です。

で、初めて慌てる飼い主さんが多いですね。
「今までは素直だったのに・・」
って。
素直だったのではなく、何もわからない子犬だったのです。



訓練所などでは6ヶ月から受け付けるようなところもあるようですが
どういう理由からでしょうか?
パピートレーニングもパピーを集めた中で犬やその他のものに慣れる
そういうトレーニングが主体です。
飼い主さんは生活の場で実践していますか?
それともお教室限定の社会化ですか?

ここで、ひとつ頭に入れておいて欲しい事を言います。

犬にとって自宅以外の場所では真のトレーニングにはなりません。
問題行動はなお、そうです。

犬は飼い主さんによって社会化されなくては意味が無いし
生活の場で、社会化され
生活の場で訓練されるべきです。
問題行動は、テリトリーである家庭で生まれ、そこでの経験が
テリトリー外での犬の行動を決定付けるようです。


すべて専門家頼みではいけません。
あなたが育てるのです。
そして犬のすべてに、あなたが全責任を負うのです。
それが犬を飼う事です。
自信は最初からないでしょうが
犬と一緒に暮らすことで自信をつけていってください。
それが面倒な方は、犬と暮らすことには不向きかもしれませんよ。

しかし、気負うことはありません。
犬は本来小さな枠にはめ込んで育てるものではないはずです。

犬育てがあまりにもファッション化している今、
動物としての犬を動物である人間が育てる、という
その原点に返ってみましょう。


正しい犬の知識を学ぶ、
犬と時間を忘れて遊ぶ。(短時間でも濃い時間を過ごしましょう)
ストレートに感情を表す。(歯が当たって痛かったら痛い、
いけないことをしたら「ダメ」、失望させる行為には「あ~~~」)
わかりやすい飼い主さんになってください。
褒めなきゃいけないからと、イライラしながら作り笑いを浮かべても
犬は匂いで察知します。
汗などで、気分がお見通しみたいですよ。
あなどれません。

犬と真剣勝負、気迫で負けない。
たとえ子犬でも容赦しない、
こういう意味で甘やかさなければ、あなたは犬の信頼を得るはずだと思います。
何でもかんでも甘く、厳しさを教えないと犬はあなたを信頼しません。
信頼されないままでは
犬はあなたを頼ることははなく、自分の都合であなたを隠れ蓑にします。
これが外での怯え、の正体です。

社会化不足でお外の刺激に対応できない犬、
このようなタイプの犬は、もう一度初めからやり直すつもりで
カワイソウ主義的気持を排除して、頑張ってみましょう。

お外では自信の無さからあなたを隠れ蓑にして動かし、
テリトリーである家の中では、あなたを意のままに動かせることを
犬は観察によって学んでいると思いますので。



支配されるべき人だったとしたら?



見ていないところでなら
犬がどうなろうといいのですか?

「誰か他の人に飼ってもらったほうがいい。」

こんな虫のいいこと言ってて大丈夫ですか?

見ていないところでなら、何をされていても平気なのでしょうか?

このような考え方を持って命を育てると
必ずしっぺ返しを受けます。
犬は成長が早いので、飼育の失敗はすぐに結果に現れます。

子犬は無条件で可愛いです。
少しくらいいたずらしたって、甘噛みしたって
「まあまあ、子犬のすることだから」
となあなあで済ませてしまう。

指示に従わせることがないですね、
指示に従わなくても、「もお~」で済ませます。そういう方々は。
なぜなら
犬がかわいそうだから

この、かわいそうだから。
これ、どうなんでしょう。
昨日の記事でもぐだぐだとお話してしまいましたが、
犬がかわいそうなのでしょうか?
それとも、
自分が我慢できないのでしょうか。


お話の中の柴ちゃんは今でも一緒に暮らしてます。ご心配をおかけしました。
お外ですが。
悪くはありません。
人間が過干渉気味になって、犬を不安定にさせてしまうケース(これはまた書きます)では、
距離を置いた方がいい、と思います。

可愛い可愛いで、可愛がるだけでは犬の精神は発達しません。
発達しないまま思春期を迎えさせるのは
むしろかわいそうなことです。

一貫性のないしつけは犬を混乱させます。
咬むなどの問題行動は、犬が不安定になっているために
犬の対処の一つの形として現れるのです。

外飼いはいけないみたいな風潮がありますが、
私個人の意見では、いい場合もある、そう思ってます。
べたべたされるのを嫌がる犬もいます。
また、今日はこれをしたらいけない、明日はいい。
この人は怒るけど、あの人は大目に見てくれる。
など、犬にとっては???なことばかりでは、イライラもつのりますね。
そういう場合は、お外で飼うのも一つの方法です。
(人間の甘さを見なくても済むので)

で、飼い主さんも勉強して、犬も落ち着いて経験をつんで、
それからお家に入れてもいい、そう思います。
急ぎすぎて焦るのはよくないですよ。


犬は保護施設から譲り受けるにしろ、ペットショップやブリーダーさんの
ところから求めるにしろ、一頭でお家にやってくるときには
非常に情緒が不安定になっています。
そういう場合は、人間の不安定さ(飼育に対する神経質な態度、
過干渉、心配性、怒りなど)は
犬を混乱のどん底に突き落とします。
犬の心の置き場所がありません。
初めから、一貫性を持って(心を鬼にして)
一人の時間を持たせるためにサークル等に入れて寝かせる。
要求されても応えない。
この態度で臨みましょう。
そうして接することで、犬は人間が尊敬できることを感じ取るようです。
(できれば、ペットショップ、ブリーダー宅でその様な状態にしておけるとなおいい)
たとえ甘噛みが酷くても、本噛みに至らせなければいいのです。
尊敬する人間を犬は本気で噛みたいと思うでしょうか?
まずは、関係作りが大切だというのは、
尊敬される存在になってくださいね、ということです。
そのためには、可愛がるだけということはいけないはずですよね?


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