「あのぉ~、最近マウンティングするんですけど。」
「私の言うことはちっとも聞かないんですけど」
「私より前を歩きたがるんですよね」
「食事中、くれくれって、ワンワン吠えるんです」
こういう質問というか、お悩みの後に必ず続く言葉または
飼い主さんの頭の中にある発想は・・・
犬がリーダーになっているのでしょうか?
でしょうね。
たとえリーダーになっていたとしても、何がそんなにいけないか
犬がリーダーになると何が困るのか?
何に怯えているのですか?
ひょっとすると・・・
咬み犬になって、飼育が難しくなることを危惧するのではないでしょうか?
リーダーは咬みませんよ。
わがままを言って咬むのは、無法者です。
無法者はリーダーなどではなく、保護者に、生き方を教わっていない悲しい犬です。
さらに言うと、犬は勝手にわがままにはなりません。
飼い主さんがそうさせてしまうのです。
たとえば、
おやつをあげようと用意しているあなたを、犬はうれしそうに
しっぽを振って待っているとしますね?
よだれが出る、バタバタ落ち着かない犬を見て
「ああ~待って待って、今あげるからねぇ~」
と飼い主さんのほうがバタバタ慌てていませんか?
犬と接する時に一番心がけたい事は
落ち着いてじっと待っていることを教える、
ことではないでしょうか?
待てないということは、非常に幼いということですね?
幼い脳をいかに抑制のきいた脳にするか(切り替えを早くできるかが
抑制のきいた、ということです)ということが
犬を社会化する究極の目的だと思っています。
早い話が、「じたばたするな、わが仔よ」ですね。
いつだったか飼育相談みたいな本の中に出てきた話なんですが
飼い主さんが調理中に、むきエビ(だったかな?)をむいていて、犬が食べたがったので
必死に殻をむいていたら、犬が待ちきれなくってジタバタして、とうとう
飼い主さんの肩を思いっきり咬んでしまった・・・
で、飼い主さんの言い分は
「早くむかなかった私が悪いのです」
ちゃん!ちゃん!
みたいな話・・・
笑いごとではなく、こういう心理は少なからず持っていると思います。
リーダー論からすると、こういう場合は、犬がリーダーになっいるので
早く食べさせないとこういう目にあうんだぞ、という意味で咬む、というみたいですが
リーダー犬は咬みません。
この咬みつきは犬が幼すぎるのです。
待てない、のね。
飼い主さんが慌てないで、待たせることに罪悪感を持たない、ということが大切ではないかな?
待たせることは犬を犬の脳を育てることなんです。
待たせると可哀そう、そういう思いが犬をいつまでも無法状態にさせてしまいます。
ルール(待てば必ず良いことが待っている)を教えるということは、人間がリーダーになることではなくて
犬を混沌から導いてあげることだと思います。
だから、犬が咬むとかひょっとしてお前はリーダー?っていう行動は
犬が迷っているだけで、悠然としたリーダーとは天と地ほどに差がある状態ですね。
リーダー論に怯えないでください。