もう、何度もご紹介しています、「動物感覚」
この本から今の時点で学んだことをお伝えします。
今までの経験と重ね合わせて、納得できる理論なので。
動物感覚―アニマル・マインドを読み解くテンプル グランディン,キャサリン ジョンソン日本放送出版協会このアイテムの詳細を見る |
情動の攻撃・学習で変化させられる攻撃。
捕食のための(殺しの攻撃)とは違う、熱い攻撃、怒りに駆られた攻撃だ、
ということです。
これはびっくりではないですか?
普通、殺しの時は、怒りに満ちてそうじゃないですか・・・
でも、これが動物の偉いところなんですね。
無駄な命を奪わないのですね。抑制がきくんです。
人間が絡むとまあ、ろくなことにならない・・・
そんな感じもしちゃいますね。
で、情動の攻撃のための抜粋を。
猫は怒りの回路を電気的に刺激されると、
攻撃の姿勢をとり、しーっという声を出し、毛を逆立てる。
体は興奮している。鼓動が速くなり、アドレナリンシステムが始動する。
同じ猫の捕食回路を刺激すると、体は冷静なままだ。
ストレスホルモンの増加がなく、「周到に忍び寄り、
体をたくみに制して飛びかかる」のが見られる、
とジャーク・パンクセップは述べている。
怒りと攻撃のふたつの状態がとかく混同されてきたのは、
結果が同じだからだ。
…捕食のための攻撃と怒りに駆られた攻撃は、
攻撃する側にとっては天と地ほどにもちがう。
このことから私たちが学ばなければならないことは、
捕獲の(殺しの本能の)攻撃が脳に組み込まれているからといって
勝手に行動にうつることはないのです。
犬が行動を起こすためには意思が要る、ということです。
意思というのは、
いつ起こすか、誰(何)に対して起こすのか、という犬の思いですね。
(もっと強烈に言ってしまうと)
もしも、猫を追いかけて捕まえ、殺す癖のある犬も、(情動の攻撃)
猫を食べる(猫が食べられるものだ)ということは、大人に(成犬に)
教えてもらわないと知らない、ということだそうです。
ここに、社会化の意義があります。
幼い時から、猫と暮らして、猫に慣れれば
猫は餌ではないことを知り、襲わないだろう、ということなのです。
幼い子供の急な動きに慣れていれば、子どもを追いかけて襲うことは避けられる
でしょう。
子どもの動きは急なので捕食攻撃(殺しの攻撃)を誘発しやすいです。
誘発されやすいので、まずその動きに慣らすことが大切。
そしてそれは獲物ではないことを教えれば攻撃を避けられるのです。
また、追いかける、捕まえる、くわえて振る、食べる
そのような本能を満たす遊び、これは大切です。
ストレスを発散させる、という意味よりも
何を追いかけてもいいのか、なにを噛んでもいいのか、それを教えるために
ぜひ、おもちゃやおやつを使って本能を満たしてあげてください。
犬は勝手に育ちません。育ちますが、自分勝手に育ちます。
犬の成長のために、どうぞ、あなたの時間を与えてあげてください。
どんなおもちゃや、ご褒美のフードよりも、あなたとの関わりが一番!
そう思えるようにが理想郷ですね。