私は社会化のドッグトレーナー@犬の森

犬の森発 吠える咬む犬の問題行動研究所 @小田原

vol.3 災害に備える

vol.3のまぐまぐ、育犬日記。 2011年3月17日号・・・そう、震災のすぐ後の発行でした。 今でも胸がキューンと痛みますね。 そして、まだまだ終わってない。 いつどこで、誰が・・・遭わないとも限らない災害。 いつも心にとどめて、でも心配しすぎることなく毎日を過ごしたいものです。 クレートとの対提示をお話ししています。 まあこれも一つの方法。皆さんが取り組みやすいのかなと思います。 楽しくて、犬はやらされ感なく、だから飼い主さんも深刻にならずに→犬に怪しまれない という方法をいろいろ考えてみましょう。

vol.3 災害に備える2011/03/17 *************************************************************

犬が犬であるだけで愛されるために 犬が大好きなあなたに、もっともっと愛しさが募りますように 今日の苦しみや悩み涙も、明日の希望になりますように☆ *************************************************************

【ご挨拶】

未曾有の地震。3月11日。 生きている間に、あのような大災害が来るとは・・・ 亡くなられた方の無念を思うと、苦しいです。ご冥福をお祈りするとともに 被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。 もうすぐ春なのに・・・悲しみがたくさんの春になってしまいましたね。 でも、元気を出して、普段通り暮らすことが、私たちにできることだと思いますので、 日々をしっかり生きていきたいと思います。 家庭のワンコさん、ストレス状態にいますか? 人も心穏やかに生きられない中、きっと不安がいっぱいでしょう。 神経性の下痢など起こしていませんか? フードはふやかしたり、おかゆにしたり、消化の良い食べ物を与えてあげてください。 また、いざという時はドライフードで凌ぐことになりますから、 何でも食べられるようにしておかれるといいと思います。 お散歩を十分にしていれば、お腹がすくと思います。 褒めながら、ドライフードを一粒・・・食べさせることで、食べるようになると思います。

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【今週のレッスン】

さて、ということで、緊急避難用に用意したいものを考えてみましょう。 犬用ですね。 その前に、犬猫が地震にびっくりして玄関から飛び出さないように、ドアーをあける時は 細心の注意を払ってくださいね。 一度離れ離れになると、二度と会えないかもしれません。 たとえマイクロチップを挿入していても、です。 まずは、逃走予防です。 小さな犬もリードに慣らしましょう。家庭犬は普段首輪をつけていないと思います。 首輪とリードをセットにしておくと、装着が一回で済みます。 ナスカンに破損部がないか、日ごろからチェックしておいてください。 犬具は消耗品ですので、定期的に買い替えをお願いします。 鑑札・ワクチン接種証明書・狂犬病予防注射済表(愛犬手帳) 犬の写真(裏に名前と連絡先を書く 自宅と親せき宅) クレート(キャリー)・首輪とリードの予備・ドッグフードと水(最低3日間分・缶詰も揃えておくとよいです) 乾燥したおやつ(ささみジャーキー、など)・割れない食器・お湯が沸かせる小さな鍋・トイレシーツ・うんち袋 洋服・毛布・タオル・カイロ・冷却剤・救急箱(薬・整腸剤など)・消毒液、傷薬(イソジンが良いと思います) ドライシャンプー(水のいらないシャンプー)・虫よけスプレー・除菌消臭剤・カラビナ・新聞紙 などですね、これらを用意しておくと良いと思います。 緊急時で一番助かるのは、 抱っこになれていること(抱っこできるサイズに限られますが)、触れると落ち着けるように トレーニングされていること、です。 それに、大勢の人の中でもパニックにならないように、人に社会化されていること。慣れていることですね。 そうすれば、少しでもストレスから犬を守ることができると思います。 あと、コマンドで排泄できるように、普段からご褒美を使ったトレーニングの継続をお願いします。 犬は警戒から逃走本能が大きくなることで、パニック的になり「逃げる」 気持ちに支配されるんですね。 なので、まずは絶対に逃走させない、を心がけたいです。 犬たちは飼い主さんの緊張を受けやすいですので、「平常心」はなかなか難しいのかもしれませんが どっしり構える、あまりバタバタ動かない、上ずった声を出すくらいなら無言で、 を心がけられるとよいと思います。

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【Q&A】 こんなこと聞いてみたい、ということがありましたらどしどし、お知らせくださいね。 今回はクレートトレーニングについて

Q:クレートトレーニングはどうやったらいいのですか?

A:まずは、クレートが大好きにすることです。 クレートに慣れる、クレート内で辛抱する、とかではなく「大好き」レベルにしてしまいましょう。 好きにさせる、方法として一番いいのはやはり、おやつとセットにするということですね。 いきなり、部屋の中にどーんと置いて「ほら入って」は無理というもの。 でも、意外にそういう方法を取ってしまう方は多いですよ。 「慣れさせる」ということを「辛抱させる」または「辛抱して観念する」と思っている(何となく感じている)方が 多いのだと思います。 まずはいつでも入って出られるように扉を開けっぱなしにしておく。 犬がクレートに興味を持って近づいても、無暗に声をかけない、犬をじっと見ない、とか 知らん顔をしてあげるということは大事かなぁ、って思うのですね。 こちらが 「入るか?どうか?入って?」 な~んて息を殺して目を見開いてみていたら、クレートは危険だって思うかもしれませんものね。 クレートトレーニングとは、 早い話が 「ここに入っていてね」 という時に、入っていてほしいところに大人しく入っている練習、 ということです。 論外なのは、終生ケージ飼いをしたいというご希望のトレーニング。 まれにいるのですよ。ケージというかサークルにず~っと入れっぱなしでいるお家。 「犬は狭いところが好き」 というどこかで聞いた言葉を自分でアレンジされているのですかね、見ても聞いても辛いです。 こういう発想の方にとって、ハウストレーニング=クレートトレーニング、ということになります。 酷い場合は何時間もクレートに入れっぱなし、とか。 子犬の頃はどんな犬でも成犬よりも活発なので「出して」ほしいの要求が強い。だから要求吠えにつながる。 クレートの壁をカリカリし続けるかもしれません。 それで、ハウストレーニング→要求を止めさせるしつけ、みたいなことにもなってしまいますね。 そこで登場するのが手っ取り早く、天罰法というものか、もろに飼い主さんが大きな音を立てるか、という犬を脅す方法ですね。 クレートの角を持ちあげて下に落として音をたてたり、振動でびっくりさせる、とか クレートをとんとん叩く、という言う方法も試されたりします。 結果、中に入っている=嫌なこと、という経験を積むことになります。 嫌な経験を積んでも、何となく馴染んでしまう犬もいるから、 上記の脅す方式がいつまでも伝えられてしまうのだと思います。 ********************************************************************************

まずはおやつを使った簡単なゲームをします。 犬を動かして、リラックスしてもらいますね。 お座り、「そう!いいこ」 伏せ、「そう!いいこ」 立って、「そう!いいこ」 「いいこ~」、でも「すごいね」、でもなんでもOKです。出来ることを褒めて。 おやつを持った手に合わせて、ついてこさせる遊びをします。 おやつに誘導される練習がすんだら次は、キャリーとケージ、双方におやつを投げ入れて、自ら入る練習をします。 扉は閉めません。閉められない=閉じ込められないから犬は安心して入ります。 人が無理やり押し込めるのではなくて、自分ではいるように、おやつを追わせるようにしてください。 おやつ投げ入れゲーム。そしてそれを犬は追って、食べる、というゲームです。 次の段階としては、 「ハウス」のコマンドをかけておやつを投げ入れる。 投げ入れる動作でハウスに入れるようになってきたら、「ハウス」のコマンドだけで 入るかどうかやってみる。 で、ハウス、というのはハウスに入り続けている、ということを教えたいので お座りと一緒で、1秒数えて、解除の合図を出して出させておやつ。 だんだん時間を長くしていきます。 長く出来たら、上からおやつを入れられるケージでしたら上からおやつをバラバラ落とします。 おやつが次から次へと降ってくる・・・状態。 まるでケージが魔法の箱、であるかのように演出してあげてください。 これを続けていると、入っている時にリラックスできるようになると思います。 筋肉が緩んだ状態です。 そうすれば、扉を閉じても、大人しくしていられるはずだと思います。 犬によってリラックスできる時間に差があると思いますが どの仔でも可能なトレーニングです。 切羽詰まって行うのではなく、飼い主さんが落ち着いている時を見計らって、 毎日何回も楽しく取り組んでみてください。

【編集後記】 震災により直接の被害がなくても私たちの心には大きな傷、痛みが残りました。 直接の被害に会われた方の心中を思うと、生きて普段の暮らしが出来ることも 心苦しくなったりします。 ただ、前を向いて歩く、頑張る、日々の営みをたんたんと行う。 これに尽きると思います。 では、また一週間後お会いいたしましょう。被災地の状況がだんだんと良くなることを祈りつつ。/チャーリーママ

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