私は社会化のドッグトレーナー@犬の森

犬の森発 吠える咬む犬の問題行動研究所 @小田原

名前を呼んでおやつ(3)


(1)では

名前や音を二次強化子にします。
特別なもの。その音を聞いただけで嬉しくなるもの、そういうものを簡単に言うと
二次強化子と言いますが、
名前を呼んでおやつというのは、二次強化子を作る過程のネーミングです。

(名前)→(おやつ)

名前とおやつを対提示すると言います。名前を呼びながらおやつをあげます。


(2)では

名前を呼んでおやつ。
古典的条件づけの手続きを使って(チャージングと言います)名前をおやつと対提示させて
名前をおやつと同じように価値るものとさせる
そういう手続きです。

******

でした。
では応用行きます。

(いい子)ねと言って(おやつ)

です。
いい子ねという言葉とおやつの対提示ですね。
(ただし・・・
いい子ねという言い方は恐らく犬たちにとっては無条件に安心できる言葉のトーンを含んでいるかと思います。目的は、いい子ねという言葉をシェイピングに使えるほどの吸引力を持たせたいためです。
「お利口さんはどうするの?」で犬がこちらの望む行動を探って自発的に行動するという経験を飼い主さんなら何度かしているはずです。これも、常にお利口さんと言われるときの行動を犬たちが理解しているからでしょう。日々条件づけているということですね。私は「お利口さんという状態に」犬が向かう、誘導される、と考えています。)

次に

(名前)を呼んで(いい子ね)

です。
いい子ね、という言葉が二次強化子に仕立て上げられていれば、名前と対提示して名前を良いものにする
事が出来るかと思います。

このようにいろいろ応用をきかせてください。

ポイントは、犬に何かをさせなくても
行動の後に言葉をかぶせなくても良いということ。
今の状態、犬そのものに対してかける言葉です。


野良猫の捕獲のために去年の夏から私への馴致を試みてきましたが
まずかける言葉は
「いい子ね~」
なんですね。
「シャー」と言われようと
猫パンチを出されようと
「いい子ね~」
って。
だからいい子ね、は報酬ではないんですね。
おやつは報酬ではなくて、という意味はこれです。
Twitterでつぶやきましたが。FBかな?

おやつは報酬、と決めつける考えが社会化の幅を狭めますね。最高の報酬は飼い主さん。この基本はいつも変わらない。

こちらの望む行動をしてくれたからいい子ね、ではなくて
気持としては
「私は何も危害を与えないのよ、大丈夫だからお利口さんでいてね」
と。
猫の感情に訴えかけるのです。
なだめると言い換えても良いのかもしれません。
取り入るということではありません。取引ではなくて。もしそのように感じたり映るのであれば
感じる心や見る目をもっとピュアに、ニュートラルにしないと
命との付き合いには疲れてしまうのではないかなぁと思いますけどね。人と人とも。
腹の探り合いをしているんではないよ~、という意味でなだめるのです。
そしてその言葉が自然に出る時、私という存在に警戒を抱かない犬や猫たちがそこにいる、と。

それが理想ですね。
理想にたどり着くためにはなかなか難しいタイプの方も多いかと思います。
そういう時は、犬たちの喜ぶものおやつを使って仲良くなるということも必要なアプローチなんですね。
最初から難しいことをしようとすると、むしろ犬たちはそういう態度に警戒するようですね。

もっと気楽にもっとゆるく。もっと楽しみましょう。
犬が人に開かれるということ(社会化)を一番に考えて、成長と共に現れる警戒心の前に
ガンガンおやつを使って、遊んで、歩いて、犬のキャパを大きくさせてあげて欲しいです。


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