私は社会化のドッグトレーナー@犬の森

犬の森発 吠える咬む犬の問題行動研究所 @小田原

不安

昨日ご紹介したカイ君。
投薬治療を続けています。
チャーリー組さんの中にも、投薬治療に踏み切った子は何頭もいます。
命を消さない、その努力を尊敬します。

脳のバランスを欠いた状態というのは
胃腸障害や心臓病などと同じでからだの病気です。
薬物治療と言うと絶望視される方がいるのは私的には困惑です。
薬に頼る・・・
精神論では命は救えないし、体の状態が良ければ困難に立ち向かえる気持ちも
湧いてくると思いますが・・・
NHKに出演されていた先生も、脳のバランスが悪い状態には薬がとても良く効く、と
そして良い状態にして、刺激に対する自信をつけるのが治療だと仰っておられました。

こういう「治療」は専門家に相談の上、取り組んでいただくことは言うまでもありません。
そういうケースもある、ということをしっかり頭に入れて、昨日お話しした
一般の飼い主さんからの安易な言葉に追い込まれることがないようにと願っています。
取組み自体がどんどん犬も追い込んでしまうからです。
慣れさせようと、犬と対峙するその方法にコツがいります。
犬の中にポンと入れればいいというものではありません。

不安を感じて汲々とする、その時脳の中では何が起きているか。

脳の背内側前頭前野という「客観視」という部位は、
不安要素を客観視しするという働きをします。客観視というのは、本当に不安かどうか見る、ということですね。
通常は不安要因があっても20分から30分程度で不安は収まるものだそうです。
心の警報装置として不安は機能しているようです。警戒心、ですね。

この不安から逃れようとして無理矢理意識的にそのことについて考えないようにしたり、お酒を飲んで忘れようとしたりといったことが客観視の視力を鈍らせたと同じようなことになり(ぼんやりした状態、ぼやけた状態)

よく見えないためさらにしっかり不安要因を見ようとした客観視にとって近すぎて不安が巨大化してしまう!とてつもない不安に見える、ということが起きる=不安の洪水状態・・・そして客観視が疲れ果てる。
疲れ果てると、不安かどうかを客観視できないのでいつも不安になる・・・


病的なまでの不安症状にはやはりお薬の力がいることになります。
それほどでない場合、どうすれば客観視を正常にすることができるか。
それは脳の特に前頭葉の血流を良くすることが大切なのだそうです。
(番組では座禅がよいと紹介していました)
犬でしたらどうでしょうか?
前頭葉の働きを活発にすることで血流は良くなりますから、前頭葉を使うことをさせるのが良いということになります。
本能系にストップをかけて、
声掛に従わせるようなトレーニングモードが良い、ということになると思います。
また、

番組出演者の方からこんな質問が出ていました。
「不安を感じている人に出来ることは何ですか?」
と。
人混みが不安になってしまった、電車に乗ることができなくなってしまった、
そう言う場合は、そういう機会を避けさせた方が良いのかどうなのか。
先生からの答えは
「一緒に出歩いてあげる」
「場数を踏んで大丈夫であるという経験から自信をつけさせる」

と。

ここで、一緒に歩く人が、
一緒に歩いてほしいと思える人でないと無理だよね、と感じました。
犬も全くその通りで、一緒にいて安心できる存在がそばにいるかどうかで
不安に押しつぶされない助けができると思います。
そしてその存在が、犬のアテンションを取り続けて励ます。
いつの間にか不安に感じていたシチュエーションを、アテンションの連続でやり過ごせた。
大きな自信につながると思います。
ここを目指したいですね。


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