遺伝子からのメッセージ―「こころ」と「からだ」の関係をやさしく解く (朝日文庫 む 12-1)村上 和雄朝日新聞社出版局このアイテムの詳細を見る |
何だ何だ!この本は~って感じですが・・・まあ、お付き合いください。
この本の著者、村上和雄先生はDNA研究の権威で、高血圧の黒幕である酵素
「ヒト・レニン」の遺伝子解読に成功した科学者です。
生命のバカ力の本や、吉本興業との笑いの研究の先生ですね。
ご存知の方も多いかと思います。
この本は、生命体がイキイキ生きるためには、という遺伝子からのメッセージを
読み解くことが大切ですよ、ということが書かれているのです。
(大雑把だなぁ~)
で、何で犬のトレーニングと遺伝子が?
と考えた方も多いでしょう。
遺伝子というのは「いのち」の設計図である。
命の設計図には、イキイキ生きるための方法が書かれている。
それに沿って生きる時、生物は「生き切ることができる」ということですね。
遺伝子のインフォメーション通りに生きる、という言い方をされています。
少し、抜き書きしてみます。
P45 人間以外の生物はみんな、遺伝情報に従って生きています。
身体の中の遺伝子の情報のうち、イキイキに必要な情報が眠りから覚め、活発に活動をしています。
この状態を、「遺伝子がオンの状態になっている」と呼びます。
こうして見てみると、犬というのは犬でありながら
体内にインプットされた遺伝子情報の逆らう生き方を余儀なくされている、
と言っても過言ではないですよね?
私がその立場に立ったら・・・犬たちのように従順ではいられないような気がします。
犬って偉いですね。
人間はそんな犬に甘え切っているのかもしれませんね。
犬は人間の要求を聞くものだと思い込んでいるのかもしれないですね。
共生・・・
一言で片付けることはできませんね。
一方的に犬にばかり規律を押し付ける生活では、共生ではなく
強制ということになると思います。
犬がイキイキと生きるために、犬らしく生きさせるために
努力できる人が犬を飼うことができると思います。そういう人が
犬を飼う資格があるのだと思います。
犬は、探索して、獲物を捕まえて、仕留めて、食べる。
仲間と遊んで、共に眠り、朝を迎えて、活動する・・・
非常にリズムよく生きてこそ、遺伝子がオンになって、イキイキ生きられる、ということです。
狩りのエネルギーは遊びで満足させ、人間が積極的に遊んであげることで
仲間といる充実感が得られると思うし、
リズムの良い生活は、お散歩や、食事、睡眠、お手入れ、それらで与えられるはずです。
また、気になる箇所を引用させていただきましょう。
>社会的拘束は遺伝子をオフの状態にするのです。・・・
遺伝子がオフになってしまう。イキイキが失われる。
ルールという名の縛りがあまりにも大きすぎて犬が息が詰まるのなら
(人間社会で生きる事はそういうことでしょう)
工夫してその犬が好きな事、夢中になれることを一緒に探して
楽しむことが大切ですよね。
犬に主導権を持たせた遊びでは、どちらにとっても楽しいとはいえないでしょう。
人間が知恵を働かせて楽しめる犬生を与える、
特別な事ではなくても良いんです。
犬が息抜きできて、ストレス無く生きられる環境を用意してあげてください。
たまに、羽目をはずす犬もいますけど、犬が遺伝子にのっとった行動なんだからと
大目に見てあげる努力が必要なのかなって・・・思います。
人間社会が思いやりの心を失うことがありませんように。