私は社会化のドッグトレーナー@犬の森

犬の森発 吠える咬む犬の問題行動研究所 @小田原

感情と飼育



一昨年の動物取扱業の講習会での愛護協会の会田先生のお話を思い出します。

マルチーズを連れて女性が里親を探して欲しいと依頼に来た。
飼えなくなったから。

「どうして飼おうと思ったのですか?」
という問いに
「寂しかったから」
という答え。
「では、何故いらなくなったのですか.(飼えなくなったのですか?)」

「寂しくなくなったから」

・・・

私達人間は、感情のまま生きすぎていないか、
そう自問しなくちゃいけません。

無条件に可愛いい子犬。
その子犬に、何かを求めすぎてはいませんか?
それは癒しですか?
犬に癒されなければ生きられませんか?
犬を癒すために、生きてみることを考えてみませんか?


犬は自分に足りない物を補わせるために天から降りてきた。
そのような言葉を読んだ事があります。

犬が問題行動を現し始めたとき、
飼い主さんが犬と真剣に向き合える用意があるか
それを試し始める時ですよ。
とお話しています。

リーダーになる、というと気負いすぎる、
そんなものは犬は求めていない・・・と言われます。
でも、
敢えて言います。
犬にはリーダー(導く人)が必要です。
迷った時に、方向を示す、
それがリーダーなのだと思います。その責任が重いのであるなら
犬を飼うという選択肢自体が重荷なのではないでしょうか?

今はセラピードッグや介助犬が多く知れ渡るようになり
そこまでではないけれど、自分も犬を飼っったら
きっと何かいいことあるかな?
犬と何か出来るかな?犬は幸せを運んでくれるかな?
なんて・・・
犬に何かを(多くは癒しですかね?)求めすぎる傾向にあります。
ありませんか?


子供の遊び相手に、先住犬の友達に、子供代わりに、
一人では寂しいから・・・などなど・・・
犬はそれらを背負えると思いますか?

名犬は、そんなに沢山いないからTVなどで取り上げられるわけでしょう?

ただの犬ではいけませんか?

犬から癒しを求めようという傾向が強いと、
いざ、何か犬がしでかした時に、犬から気持が冷めてしまいませんか?

最近のペットブームを見ていると
そこら辺がとても危なっかしく感じてしまいます。


飼育に関してのかわいそう的発想、
これが人間の感情論から来るものならば
もう一度考えてみる必要があります。

犬は何を求めているのか。

充分な運動、手入れ、良質な食事、遊び、
これが満たされていればOK。
犬は満足して生活できるはずです。

お外で暮らす、仕事を与えられて暮らす
多くの制限を与えられて暮らす、
「かわいそう」という声が聞こえてきそうですが。
それでも犬が満足した生活ができていればOK。

幸せの形はひとつではないと思います。
充分な癒しを犬に与えられるかどうかは幸せの必須項目ですけれど。

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