私は社会化のドッグトレーナー@犬の森

犬の森発 吠える咬む犬の問題行動研究所 @小田原

リーダーシップの落とし穴



さてさて、耳にタコのできるように聞かされ続けた
リーダーシップ!
ですが・・・
今日はその落とし穴について考えてみます。


犬にはその犬の性格がありますよね?
まさか全部一緒だとは思っていませんよね?
勝気な犬、臆病な犬、優しい犬、聞き分けの良い犬、
意地っ張りな犬、強情な犬・・・
いろいろです。
もちろん、生活環境によって変わっては行きますが
基本的な性格は人間と同じように犬にもあります。
なので、育て方は様々でいいと思います。
というより様々でないと困るかもしれません。
また性格について言い換えると、
育てやすい犬と育てにくい犬がある、ということ。
これも人間と同じです。
大きな声を出すだけで震えてしまう犬もいれば
ちょっとつねったくらいでは全然へこたれない犬もいます。

ただ・・・犬だからということで
これまでは同じような接し方、扱い方・・・
きわめて乱暴な方法で犬をトレーニングしていた、またはしている(実際
今でもそれを信じている方も大勢いるようです)
これが一般的なのかもしれません。

それが、リーダーになる、ことと結びついた時
何でもかんでもリーダーシップの無さに原因を探してしまう
という傾向に傾きやすい。(いわゆる支配的な犬という見方)

例えば、
無駄吠えをやめさせられないのは
リーダーシップがとれていないから。

抱っこは目線が上になるので犬をリーダーにさせてしまう。

お散歩では絶対犬に前を歩かせない、
リーダーの座を奪われるから。

犬と一緒に寝ると犬をリーダーにさせる。

引張りっこに負けると犬はリーダーになる。
などなど・・・

真顔で話されると
「マジで?」
と聞き返したくなります。

根拠はありませんね。
ただ、押しの強い犬(要求の強い犬、臆病な犬、興奮症の犬)
と、犬に主導権を握られるような気持で負ける飼い主さんが
飼い主と飼い犬の関係になったときは、
慎重に対応(犬の行動を制御しなくてはいけない場合もあります。)
しなければ、問題行動を生みやすいのかな、と思いますが。

でも、心に留めていただきたいことは
何でも問題が起こった時に「リーダーシップの欠如」
のせいにしないでください、ということです。

たとえどんなにリーダーシップがとれていても
問題を起こすことはあるのです。
大切な事は、それに落ち込む人はリーダーではないということ。
問題が生じた時に一刻でも早く立ち直らせるように
努力できるかどうか、がリーダーであるということです。

犬が迷った時に(問題行動を起こした時に)
おろおろしないかどうか、
それがリーダーシップです。
形の問題ではないと思います。
形にとらわれていると大きな落とし穴に落ちていることにも
気づかないことがあるのかな?と心配してしまいます。



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