私は社会化のドッグトレーナー@犬の森

犬の森発 吠える咬む犬の問題行動研究所 @小田原

食べ物を使った気質トレーニング

私が関わらせていただいた特にパピーから指導してきた犬たちに見られる特徴は?
それは人間への社会化が素晴らしいということです。人間に疑いがない。
気難しいとされる和犬、またはシャイな性格の子も、人の言葉に素直に心を開いています。なので、触られること、見つめられることにプレッシャーを感じません。

ただ対犬に関しては・・・正常に社会化される、または成長すればするほど特に♂犬は、相手を確かめたい、距離によっては牽制してみたり、権勢的なシグナルを出したり威嚇したりする。これは犬としては当然の行動なのです。ひとくくりに上手く仲良くなれないから社会化不足とは言えないんですね。
ここが、一般的に飼い主さんを焦りに導く犬たちの行動なのではないかと思います。

社会化不足では犬に興味を持てない。または遠ざけたい。逃げたい。関わり合いたくない、という様子を見せるものです。

だから近づいて挨拶してみたい、結果「ガウッ!」ってした・・・
これは一概に社会過不足と言ってはいけない、犬としての当然の行動、
ということが言いたいです。

大切なことは人間の言葉を素直に聞くこと。人間側が、罰的対処で関わらないこと。そうした下地があって初めて「スルーしようね」と、過剰に犬が犬に向かう気持ちを、なだめられると思うのです。

「あ、ここの場では犬との接触はNGなんだ」ということを犬に教えていけられればいい、ということです。


 

ダンバー博士のイヌの行動問題としつけ―エソロジーと行動科学の視点から
イアン・ダンバー,尾崎 敬承,時田 光明,橋根 理恵
レッドハート



さあ、引用をもう少し。ご馳走が出てきますよ。^^
客の周囲に「「報酬勾配」(reward gradient)を設けるとよいだろう。たとえば、イヌが客に近づくほど、またより自信を持って近づくほど、心を込めてたくさんほめる。同様に(大食漢やお腹のすいたイヌには)客の周囲にフードをばらまく。客の椅子に近いほど一番おいしいフードをたくさん置き、ごほうびの勾配を作ることができる。いつものドライフードを玄関や部屋の隅などに少しこぼし、客の周囲2メートル以内にはチーズを、1メートル以内には鶏肉をばらまき、イヌの究極のトリーツ、たとえばお気に入りのブランドのフリーズドライレバーを客の手のひらにおくとよい。このようにセットしても、イヌは自由に近づいたり逃げたりできるようにしておく。こうした状況での特徴として、イヌは用心深く近づき、フードをくわえたら、すぐに逃げるだろう。しかし近づくたびに、イヌはごほうびを獲得し、自信を強めていく。客に近づけば近づくほどほめられるので、さらに自信は強まる
このぐらい徹底して使います。
徹底することで初めて犬には分かりやすく、分かりやすい=優しい方法となるのです。

 この仕事が終わったらお茶にしよう。頂いたケーキがあるから。
この週末はお友達とあのお店に行ってお食事しよう・・・など。食べもののことを考えてドキドキすることは我々の楽しみの一つ。
こういう状態をジャンキーと言いますか?言われたら余計なお世話だと思いませんか?

喜びは興奮に結びつきやすいですが、興奮も鎮まれば悪いものじゃないはず。もっとおおらかに、犬と暮らしたいと思います。



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