私は社会化のドッグトレーナー@犬の森

犬の森発 吠える咬む犬の問題行動研究所 @小田原

気づき(2)・犬社会のルール



さてさて、また続きです。

その前に、この柴犬市ちゃんのこのポーズだけでも
闘おうとしている、と受け取りそうな、そんな犬飼初心者の方が多い現実があります。

吠えに過剰に反応する。
歯が当たることを妙に恐れる。
犬と一緒に地べたに座ることが出来ない。

何故でしょう!?

命の脆弱さ。

私はこれだと思います。

生きていれば感じる、躍動感や、若さゆえのエネルギーみたいなものを
感じられないくらいに、われわれは貧弱になっているのかもしれませんよね、動物として。

えっと・・・
そうそう、気づきの続きですね。あせる

ルナちゃんは市ちゃんがガウっとするかどうかを見極めている=気づこうとしている写真です。
自分は相手にしないという方法を取った。
では、アグレッシブに他の仔に行った時は?
自分のするべきことをちゃんと備えて、市ちゃんの動向を見守っているのです。
または、危険に気づこうとしている、と言ってもいいです。



と書きました。
写真では、市ちゃんが遊ぼう~のポーズをとっています。
柴犬はこのようにとってもシグナルが上手だと感じます。
でも・・・
はなちゃんはじっと伏せたままですね。次にころんと仰向けになったりしました。
すると市ちゃんは
「この仔絶対あたし、好きかも~ドキドキ
というように強烈なラブラブ攻撃(?)をしていました。
ハナちゃんの体の上を、ピョンピョン飛んだり、体をはなちゃんの体にこすりつけたり。
至福の顔をしていましたね。
ということで、平和なうちに市ちゃんのコンタクトが終わりましたので
ルナちゃんは介入することなく済みました。
これが、
市ちゃんが「ヴッ」っと唸って、はなちゃんも緊張すれば
ルナちゃんは恐らく自分の体を2頭の間に入れ込むように分け入ったと思います。
私だったらそうします。
多分ルナちゃんもそうしたでしょう。

なぜ、分け入るかと言えば、それがなだめのシグナルなのです。
だから、それをされた側は、瞬時に抑制をきかせないといけないのです。
それがルールです。
そうしたルールをお互いが守ることで、たとえ小競り合いが起こっても
大きな争いに発展させることがない、というわけですね。
犬社会の知恵です。
これが犬語の世界なのですね。
争いによって命を落とすことがないように、相手をなだめるシグナル、そしてそれは
自分を落ち着かせるためのシグナルでもあるのです。

市ちゃんがおやつ欲しさに唸ることも、シグナルなんですが
使う場面ではないことを、無視によって教えられ、市ちゃんは受け入れつつあります。
もう少し回数を重ねると、すっかり覚えてしまうでしょう。

何て深い犬の世界でしょうか!


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