おやつを使うと、犬本来の狩猟本能を発達させる、
などという理論を耳にしました。
ショックです。
本能というのは
押さえても遺伝子の中に組み込まれているものですので
いずれか
現れるものです。
どんなに押さえても現れるものが本能なのです。
本能に怯えて、それを封じ込めようとすれば
犬はフラストレーションが溜まると思いませんか?
だから!
トレーニングがあるのだし、ドッグスポーツなど、犬と一緒に行える競技ががあるのではないかな?
犬が犬として、本能を全開にさせる場所を作ってあげる、
押さえるのではなく
使う場所を教え込む、ということですね。
トレーニングというのはそこが出発点なはずです。
本能を嫌わないでください。
狩猟本能が現れたからといって、犬が人を咬んだり
攻撃的になったりするのではありません。
そもそも、犬が攻撃的になるのは
嫌なものを遠ざけたい、距離を取りたいから、でしたよね?
社会的距離を自分の周りに作って安心したいからです。
そこを誤解しないでください。
おやつを使う、特に社会化期のトレーニングで
慣らしたい物の傍でおやつを食べさせる、ということは
食べる=生きるという本能を満たす、というより
どんな場所でも自信を持って食べられるようにしたいためです。
反対に言うと、
食べられるのであれば、その状況をクリアしている、
ということです。
怖いと思っている場所や、人の傍、物の傍
怖い音を聞きながらでは、
どんなに魅力的な食べ物でも、食べることができないのです。
これは脳が緊張状態を起こしているのですね。
ですので、食べられない、ということは
その仔にとって、その場所、人、物に近付けるのは時期尚早
ということです。
無理をしないでください。
がつがつ食べられなくてもおやつの匂いをかげる、
それだけで、怖いものから気持ちを逸らすことができると思います。
犬にとって嗅覚は一番の情報源。
それを刺激させることで、
緊張を解く練習ができると思います。
社会化のトレーニングはこのことを理解していないと
犬に無理強いしてしまい、かえってトラウマにしてしまったり
慣れるのに遠回りさせてしまいます。
まず、飼い主さんがそのことを覚えておいてくだされば
間違った方法に疑問を感じられるのではないかな?