私は社会化のドッグトレーナー@犬の森

犬の森発 吠える咬む犬の問題行動研究所 @小田原

思春期への心構え



前回お話した、褒めずに矯正だけの方がいい、ということ
それを少し考えてみます。
なぜ、褒めなくて矯正だけの方がいいと思いますか?
褒めてトレーニングが基本なのに。

それは・・・
トレーニングはマニュアル通りいかないからです。
飼い主さんが考えているうちに、問題となる行動が
終わってしまっていることが多いです。

問題だと感じた行動には、即反応しなくては犬に伝わりません。
だから、正しくは褒めてる場合ではない、ということですね。

最近は褒めて育てるブーム(?)で、
人前で犬を叱ったり、矯正できない方が多いと感じます。
「そんなことしたらカワイソウ」
という声も聞くことがあるかもしれません。
しかも、矯正というと叩いたり、チェーンチョーカーを力任せに引いたり
犬を押し倒したり・・・
そんな想像してませんか?

そんな馬鹿なことはしちゃあいけません。

矯正するということは、怒りをぶつけることではなくて
問題である行動をやめさせることです。
これはポイントです。

褒める・・・正しい行動に導いて褒める、
これは矯正の場では実践的ではないことがあります。

理想どおりにはいかない、ということです。
簡単に言うと、褒め方が悪い。
褒めているのか犬を興奮させているのかわからない、です。


しかも飼い主さんはばたばたしてますし・・・。

矯正だけでOK。
普段、愛情のある対応をしていたら矯正、「ノー」だけで充分です。

大切なのは「ノー」が伝わっているかどうかです。
伝わっているかどうかは犬の表情と態度でわかりますよね?
わかりませんか?

「こいつ、反省していないな」
と感じた時は、次の行動に移らず、
無言で反応を確かめてください。
無言です。犬に考えさせてください。
「なぜ、ママは何も言わないのだろう。
いつもはダメダメって楽しそうなのに」
・・・
自分のした行動がいけなかったかどうかはこの様に
伝わっていない事が多いですよ。

「ノー」で無言。
これが一番。

特に、犬が反抗していると明らかに分かる場合は
矯正して、飼い主さんの態度で威圧しましょう。
威圧です。
思春期の反抗にはそのくらいの態度で臨みましょう。

一貫性が大切です。
また直接体に触れて、矯正しましょう。
(座らせる、伏せさせる等)
興奮状態である場合、犬が歯を当ててくることがあっても
ひるんではいけません。
思春期です。子犬なのです。
その時ひるめば、生涯あなたは犬の行動に支配されるかもしれません。
歯が当たった時に、反射的に叩いたりするのは最も良くありません。
こじれる一番の原因。

実は思春期の問題の現れ方には大きく分けると二通りあるかな?
と感じています。

まず、社会化不足によって自信の無さから現れるもの。
これはお外では怯えるのに、お家の中では威張る、そういう現れ方。
原因は飼い主さんのカワイソウ主義。
何でもかんでも負担をかけないように犬を育てると
非常に扱いにくい犬になります。(これは多いかな)
怖がりなのに、何かを(テリトリー、食事、人、場所)を守る、
という行動に出やすい。

次は、真にアルファーな犬。
自信満々です。物事を恐れることがありません。
どんな犬にあっても恐れて吠えることはないでしょうし
飼い主さんの影に隠れる事もありません。
こういう犬は社会化期にしっかりしつけておくと
非常に優秀な犬に育ちます。
が、飼い主さんが主導権を握らないと、文字通り生活のすべてを支配されます。
思春期には飼い主さんを試すようなことも始めるみたいです。
今まで出来ていたことを失敗する、
わざといけないことをする、
マウンティングする・・・。

では、次回は支配性について考えてみます。


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