ドッググッズショップチャーリーのお店を営んでいるときから今まで、 コンスタントにお問い合わせがくる問題に 分離不安があります。
10年前と違い、行動治療を受けられる動物病院が増えてきて心強いですが、 中には地域にそういう病院がないとか お薬を勧められて改善しないとか、 犬も人も疲弊しているケースもまだまだ本当に多いようです。
分離不安についてこのブログの記事の、 飼い主にとって辛くない(=犬も辛くないも含みます)方法、 今まで多くの飼い主さんに取り組んでいただいてきた方法を改めてご紹介してみようと思います。
我が家は今は犬はいないのですが、 チワワのココを迎えた当初、分離不安傾向が強く、 雷なども怖がる子で音響シャイもあり、 お留守番のときに何とか自信をつけさせられないか、 怖いものを少なくできないか、 ココとの生涯はそういう取り組みの生涯だったなーと思います。 基本明るくて穏やかな子でしたよ。
ではまず、分離不安とは?から見てみましょう。
分離不安とは
伴侶動物における問題行動のひとつであり、愛着を持つ相手との分離や分離を予期することで不安が高まり、吠え・破壊的行動・不適切な排泄行動などの行動学的不安徴候やパンティング・嘔吐・下痢・震え・舐性皮膚炎などの生理学的症状がみられる。ヒトの幼児に見られる分離不安に相当すると考える研究者もいる。社会的親和行動の強いイヌで認められることが多く、ネコでは少ない。最も多いのは留守番に関わる不安であり、飼い主の外出に対する馴化不足や飼い主のライフスタイルが変化し、突然長時間の留守番を経験することが要因となる。分離不安で、見られる行動はいずれも非特異的なものであるため、それらが分離時以外には生じないことや、不安に由来することを確認する必要がある。治療には、留守番中に動物が安心できる居場所を用意し、分離に対する系統的脱感作及び拮抗条件づけを行う。 抗不安作用を持つ三環系抗うつ薬のクロミプラミンがイヌの分離不安治療薬として国内で認可を受けている。(2012年度現在)-行動生物学辞典より
引用しました。
犬のしつけトレーニングはどういったものが行われてきたか(または今でも)
まだまだ犬と人との間の順位付け理論が多くの人に浸透していて、 なぜそれが良くないかというと、 人との暮らしの中で問題が起きるのは犬が人を下に見ているからである、 と、まことしやかに言われるからです。
分離不安の吠えは リーダーである犬が「外は危険だから帰ってこい」 と吠えている。 だから人がリーダーになって犬の指図は受けないと伝えなくてはならない、 みたいな・・・。
また不適切な排泄は、 あてつけ と言われたり・・・。
愛着を感じる人との別離(犬はまた会えるかどうか理解できないと思うのです)に不安になっている犬に、あんまりですよね。
クレートに閉じ込めて吠えたらチェーンを投げつける、 という方法を行った人のカウンセリングをしたこともありました。
犬のしつけトレーニングを根本的に変えて行かないと、 犬にも人にも辛い方法が広がったまま、 そういう状況を何とかしたいです。
はてなブログの分離不安の記事
charliemama3.hatenablog.jp
ココとの取り組みもいろいろ出てきます。
参考にしてみてください。
矯正法
過去記事にいろいろなアイディアを載せてありますが、 いずれも正の強化のオペラント条件づけによるものと 系統的脱感作・拮抗条件づけのレスポンデント条件づけ (このブログでは古典的条件づけと記してます。)を駆使した 飼い主さんが行っても副作用のない方法です。
例えば・・・。
基本は安心感ですから、犬が安心するためには何ができる?を考えて行きます。
最後に
犬が辛そうな様子を見て飼い主がトラウマを負っている。 ここが一番厄介なところです。 多かれ少なかれ、飼い主の方が不安になります。 犬は様子以外にも匂いによって不安のスイッチが入ることも考えられます。
よだれを垂らしてパンティング、 体温が上がってしまう、 心臓も心配、そういう時には行動治療の門を叩くことをお勧めします。
また、これは一つのアイディアですが、 信頼のおけるトレーナーやシッターと二人三脚で行う。 トレーナーやシッターと仲良くなってお留守番をお願いする、とか。 もちろん少しずつですよ。 一人で何とかしようと思うと辛すぎるので、 安心して相談できるところが見つかりますように。
チャーリードッグスクールでは犬の森入会者にメール相談を受け付けています。 また同じ方向性で取り組むプロも在籍されているので、ご紹介することもできます。 お気軽にお問い合わせください。