私は社会化のドッグトレーナー 第3章

犬の森発 吠える咬む犬の問題行動研究所 @小田原

報酬がなくても強化される(できる)わけ

早いもので3月も終わり・・・。

一昨年こちらにオンライントレーニングを移して、また一般公開記事も併用して運営して来ました。

今は続編ブログも始め http://charliemama.blog.jp/ そちらでは、日々の思いトレーニングに関するひとりごとみたいに綴ってます。

こちらはトレーニング、理論や方法など発見したこと考えていることを都度シェアして犬の特に飼い主さんの知識の更新に役立てたいそして犬の生きる世界のレベルアップを、と言う思いでずっと続けて行けたら良いなぁと思っています。 4月からのお散歩トレーニングはこちらの有料記事=ブロマガ購読必須を外します。 が、きっと購読されて参加していただけるとは思いますが。 また各地のお散歩会に参加される方はブロマガ購読の必須をお願いしたいと思っています。 個人的に募ってお散歩する場合はこの限りではありません。事故防止また参加される方、犬の益になるための催し物としての水準を保つためにお願いしたいと思います。

例えば・・・ 昨年重視した犬のボディランゲージ。犬のスペースの概念を知っていますか? これを知っていると 自分の犬が他の参加者のところに直線的に突進して近づくことを許さない、というハンドラーさんのリードワークと 相手の方の距離を取るために背を向けてその場を去る、が同時に行われます。 これが成されないとどうなるか? 犬同士ガウり合いが始まったり、それによっていつも以上の強めのリードさばきで犬を制御する=犬のフラストレーションがたまる、ということになります。 おやつが登場するとこの様相はさらに顕著に^^;なりやすいので、おやつを無理にあげたりもらったりする場所ではないから、ということもお話しし続けてきましたね。 犬の見えない距離=スペースを尊重して、彼らが遠慮がちに(=カーミングシグナルを出しながらということ)近づいて 自分でその距離を突破し犬同士シグナルを交換し合い静かな会話が始まり、何気に終わる。 これを経験させられる場所として、お散歩トレーニングを考えています。 人も犬も穏やかに。

すると何が起きるでしょうか?社会的学習=模倣学習です。

 

犬の気持ちを科学する 犬の気持ちを科学する
(2015/02/28)
グレゴリー・バーンズ

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↑から引用します。

 

目下のところ、マークとメリッサは基本的な行動主義の手法を用いている。犬の訓練での行動主義の魅力は、その容易さだ。食べ物や褒めるなどの報酬を好ましい行動に条件づけることで、犬は欲しいものを得るために何をすればよいかを素早く学習する。とはいえ、犬はそのことをどう思っているのだろう。結局のところ犬はロボットではない。地域をうろうろして、手あたり次第何かをやり、何をすれば食べ物がもらえるのかを調査しているわけではない。人間がいようといまいと、犬の行動には目的も一貫性もある。つまり犬は、犬の世界における物事の仕組みへの固有のメンタルモデルを持っているということだ。当然だが犬のメンタルモデルは限られている。犬はコンピューターやテレビといった科学技術を理解していない。だが犬は人間のような別の種と、互いにうまくやる方法を熟知している。それは大した技能だ。しかも、報酬をもらっておぼえるわけではない。

 

犬は人間が犬を愛するように人間を愛してくれているだろうか? を脳をスキャンすることで知ろうという訓練と研究の記録です。 私が行動分析だけではダメだ、と感じて脳や感情を扱う心理学、生態学を総合的に問題行動に当てはめて行くべき、と考える理由がここにあります。 犬全体、丸ごと命と素直に受け取れる人が到達する域ではないかなぁと思っているんですね。 感情をどう扱うか、ということ。 続いて引用します。

私たちは正の強化という行動主義の基本原則を用いて、犬がヘッドコイルでじっとしているように訓練する計画だったが、キャリーは違う方法でも学習することがわかった。キャリーは観察して学ぶのだ。  社会的学習ないし模倣は、人間の行動における最大の特徴だ。私たちは他人の行動を観察するだけで、多くのことを学習する。不思議なことに、犬も同じ能力を持っているとは、あまり信じられていない。ところがキャリーは、犬を1匹以上飼っている人ならだれでも知っていることを、はっきり教えてくれたのだ。それは犬はお互いに学習し合うということだ。

社会的学習や模倣行動について、神経生物学では比較的わずかなことしかわかっていない。人間についても、脳のどの部位が関係しているかあまりわかっていない。犬でも人間でも社会的学習は報酬を必要としない。なぜ仔犬は同時に生まれた兄弟を真似てカートを引くのだろう?食べ物さえもらえないというのに。きっとドッグプロジェクトがその答えを教えてくれるだろう。

私たちが大きすぎる刺激から犬を守って正の強化で行動をとアタフタしているその横で、犬は何を学ぶかは 犬になってみないとわからないと思うのです。 行動主義って一見かっこいいので気をつけないとかぶれやすくて、科学科学と最も科学的な考え方に馴染まない方の方が突っ走りやすいと見ていて思います。 犬たちの模倣する脳の中では何が起きているのか?

食べ物以外に何が報酬となっているのか?それは報酬とは言わないのではないか? などなど・・・これからな研究が色々な疑問に光を与えてくれるわけですから、学びは終わりませんね。

 

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