私は社会化のドッグトレーナー@犬の森

犬の森発 吠える咬む犬の問題行動研究所 @小田原

【ブロマガ】二次強化子・好子は感情にどう働きかけるだろうか

昨日のFBでの投稿をこちらに移しつつ、もっと考えてみたいです。

『優れた訓練士は声や舌を鳴らす音などで、うまく報酬を連想させることもできるが、一般の人は、訓練中に自分自身が落ち着いた状態でいるためにも、クリッカーや笛を使うのがいいだろう。いつのまにか負の強化を使ってしまうのは、基礎となる情動のせいだ。訓練しようとしているのにちっともうまくいかないと、欲求不満を感じる。好ましくない精神状態になるのは自然の成り行きであり100パーセント好ましい精神状態を保つには努力が必要なのだ。』-テンプルグ・ランディン ついついシェイピングを負の強化に使ってしまうことを指しているのかな? そうそうという言葉を言い続けてこちらの思う行動まで誘導してしまう失敗って多いと思うし。リードでの制御もそのような使い方になっている人多いですよね。 ここの基本的な認識も私と同じものを持っているかどうかで、見た目同じでもやっていることは全然違う…。ですよね?

二次強化子を古典的条件づけに使っているのです。 そこ理解できていないと、励ましのクリッカー的発想になる。

 

動物が幸せを感じるとき―新しい動物行動学でわかるアニマル・マインド

 

動物が幸せを感じるとき―新しい動物行動学でわかるアニマル・マインド
(2011/12/21)
テンプル・グランディン、キャサリン・ジョンソン 他

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(犬)を見て(クリッカー) (名前)を呼んで(おやつ) どちらも( )と( )の刺激の対提示です。

これが、犬を見ることや、名前を呼ばれたときにアイコンタクトする行動の後、いつもいつもそのあとに クリッカーを鳴らしたりおやつをあげれば? 当然その行動、犬を見る、アイコンタクトをする を強化します。

ここで大切なポイントは、名前を呼んでおやつ第2バージョンの、一つの行動をさせない、というこちら ハンドラー側の行動の切り取り方です。

意識的に同じ行動をさせないようにしていくと、思わぬ強化は防げるはずです。

それを外せば、対提示する強化子はその時の犬の感情をなだめる=幸せな気持ちにさせ得る、はず。 と考えています。

シーザーミランの本の中でしたっけ? 闘犬の作り方・・・。 古典的条件づけを使って怒りやすく犬を作り変えているんですよね。

どういうことか?というと。食べている犬の頭を殴る、食べているものの中に熱湯を注ぐ、と。 唸った犬をさらに殴る・・・。という痛ましい方法で。 悪い条件づけをしているんですね。悪い古典的条件づけ。

良くない感情を作る古典的条件づけ。 これを考えると・・・ 「犬を見て唸る犬に固いおやつをかじらせると悪い感情が強化される」 は・・・? 正しいかしら?理論的に破たんしていると、思いませんかね?

犬を見て唸る犬にリードショック(痛み)を与えれば、上記の闘犬を作る過程と同じにならないでしょうか?

対提示するものに対して 好きなものを対提示するか嫌いなものを対提示するかで 生まれる感情は180度変わってくる・・・はずです。

 

では、昨日のお話の 犬を見てアイコンタクトさせた座らせたについては? どうしてそれで唸りから攻撃的な行動が悪化してしまったのでしょうか?

それは・・・ アイコンタクトや座ることが二次強化子になっていないからです。

その状況下で。

行動を強化しようとして、犬が抱えているフラストレーションを考慮していない。

行動はするけど(できないときも)どんどんフラストレーションがたまる。

あるとき爆発するかもしれません。

アイコンタクトした先のママの顔を見たら幸せになる犬。

座って落ち着ける犬にとっては 犬に対提示させる好きなものになっているでしょう。

下準備としてアイコンタクトと座るが好きなものに条件づけされているからです。

弱化子だけど罰(嫌子)ではない、というのは行動に対する刺激ではなく その状況に置いて感情に刺激(この場合はアイコンタクトや座る)を与えて(対提示して)いるわけですね。

座学で、自分の犬の二次強化子を書き出していただいていますが、 皆さんどれだけありますか?

私の場合は 「自分」 と書き出せるように日々愛を与え続けています。

自分が強化子になれば、座るために触ることも、アイコンタクトしてもらうこともすべて良いものとして対提示され得る はずです。

犬とよりよく生きる、時 きっとそういうところに喜びが隠されているのではないでしょうか。

 

 

 

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