私は社会化のドッグトレーナー 第3章

犬の森発 吠える咬む犬の問題行動研究所 @小田原

昨日の続きです


では昨日の記事の続きを

今日は名前を呼んでおやつ、の間違い探しです。

○リードの長さ分犬が前に「ここで名前を呼んでおやつ」ですか?

○犬が窓際に向かって走って行き、警戒吠えをしています。ここで名前を呼んでおやつで、
犬を呼び戻せばいいのですか?

いかがですか?

名前を呼んでおやつっていうのは
行動をさせておやつをあげるわけではありません。
おやつはご褒美としてのおやつではありません。
対提示のおやつです。

これは・・・
名前を呼んでおやつのカテゴリーを読んでいただかないと、理解できないと思いますので
面倒でも読んでください。
そこをすっ飛ばして
何かをさせるために名前を呼んでいるから、かえって突進や吠えを強化してしまいます。
(オペラント条件づけにしてしまうので)



では、次に・・・実際によくある犬と犬との出会いのシーンから。

お互いにリードをつけた状態で、初顔合わせの犬が5メーターくらい近づいたところで
私の犬がカーミングシグナルを出しました。(=地面の匂いを嗅ぎました)
相手の犬は頭を下げてはいるもののじっとこちらの犬をがん見しています。
私の犬の背中の毛が少し立つのが見えました。
相手の犬側の耳が相手の動向を捉えようとしているのが見えます。
そこで私は
犬の名前を呼びました。すかさずいいこねと。

ポイントは
カーミングシグナルを出している犬に、名前を呼ぶ意味があるのか。


意味があります。
背中の毛が立って、不快感を表していると感じたので、その感情をフラットにするために
名前(二次強化子)をかぶせて、しかもさらに「いいこね」でなだめます。
そうすることによって、落ち着きを取り戻し、さらにカーミングシグナルを出す用意ができる
というように
名前を呼ぶというインターセプトは、その二次強化子の力で、犬の感情をなだめます。
それによって本来の力を発揮させられます。


次。
名前を呼んでおやつは、無条件に犬がうれしいもの(=おやつ)と同じように嬉しい気持ちが湧きあがる
ように条件づけたい音(=名前)の対提示ですが、
ここでは
名前を呼んでいいこね、をしています。
言い換えると名前といいこねを対提示しつつ、相手の犬と、また不穏な空気そのものに
対提示(名前+いいこね)をしている、ということが言えますが・・・
なぜこのように行うのでしょうか?

これも一種の介入で、声のインターセプトにもなります。


(名前)⇔(おやつ)

(   )⇔(   )
のカッコの中には、色々な刺激を当てはめることができます。
どちらかに、犬にとって好ましい刺激を入れてそれと同じくらい好ましいものにしたいものを
もう片方の(   )の中に入れて、同時に犬に提示します。
これはどんどん、どんどん、広がりを持って行きますから、
(散トレの場)⇔(飼い主さんのいいこね~という声)
で、散トレの場が好ましいものになって行きますね、という希望が含まれます。

犬のトレーニング、
まずはこうした基礎、犬が好ましいものをたくさん作る、ということがあって
その上に、次なる共同作業がくる、
そして初めて双方が楽しく取り組む事が出来ると思っています。
ということで、歩行トレーニングもこの基礎が必須なんですね。

リードショックのない、叱りのない双方楽しい脚側歩行は、犬があなたのそばを心地よいと感じなければ
実現しませんものね。

では今日は横浜散トレ!
散トレシーズンですね。皆さまどうぞよろしくお願いいたします。




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