私は社会化のドッグトレーナー@犬の森

犬の森発 吠える咬む犬の問題行動研究所 @小田原

名前を呼んでおやつ、形ばかりでは上手く行かない理由

吠えておやつ・・・でも強化しない
http://charliemama.weblog.to/archives/3224191.html

こういう感情面(↑の記事のように)を考慮して、ということと
オペラント条件づけとしての方法になってしまっている時とは
また別の考え方をしていきます。

犬が飼い主の気を引くような吠えの場合、当然名前を呼んでおやつはその行動を強化します。
無反応でいた方がよっぽどいいでしょう。
ただ、最初は警戒吠えだった吠えも、名前を呼んでおやつで強化してしまう理由は
飼い主が動かず、犬を呼び寄せているからです。


途中にインターセプトが入ります。飼い主が犬のところまで行って、名前を呼んでおやつですよね。
しかもその時は第2バージョン。
犬に特定の行動をさせる必要はありません。

名前を呼ぶというこちらの働きかけは犬に対する注意喚起です。

その時名前を呼んでも振り向かない、理由はなんだと思いますか?

名前を呼びすぎているからと
教わったり読んだりしたかもしれませんが?
そうではなくて、名前が意味がないものだからです
これは条件づけがまだ上手くできていないから。
そしてもう一つの理由は、呼ばれたことに気がつかないほど真剣だ^^;ということ。
だから・・・
呼び方を考えます。

犬は人間より観察が上手いです。
違う言い方をすると…違いを見分ける、区別する力があるということ。
そういう犬の能力を生かすために
呼び寄せるように呼ぶ、
なだめるように呼ぶ
こちらを見て欲しいように呼ぶ、
というように・・・一本調子の呼び方をしないということが大切ではないでしょうか?
毎日話しかけ、言葉を教えるようにされた犬は人間の言葉に注意を払います。
これが、コンタクトトレーニングの基礎ですね。

いつもは静かな環境でお散歩をするようにしていて、でも獣医さんに行く
など、どうしても人や犬がいる環境は避けることが出来ない時、
「いつもは大人しいのに、ざわついた環境ではこちらの声が届きません。もっとストレスを避けるべきでしょうか?」
と・・・
どこまで避けられるかな?
という時、かなり飼い主にかかるストレスは大きいものがあります。
前向きに、雑踏の中でもコンタクトが取れるようにという取り組みのストレスと
避け続けるストレスでは、
培えるものは全く違ってくると思うのです。
多くの方の間違いは、静かな環境で問題がないからその環境下で何も取り組む必要がないと決めつけている点です。
大人しくしているのに取り組むのは犬にとってストレスだと。
考え方はおかしいと私は思います。
いつか来る大きなストレッサーに立ち向かうために、今問題がなくてもい取り組むべきではないでしょうか?
犬にとっての好子(嬉しいもの)を使って。

一旦飼い主さんがこの気持になるとトレーニングはストレスではなく、楽しみ以外の何物でもなくなります。
まあ、当然、犬にとって不利益な方法、考えのトレーニングはその中に入れない
ということは言うまでもありません。

名前を呼んでおやつ、形ばかりでは上手く行かない理由
は、名前がしっかり条件づけられていないから
です。
それをとことん、今年いっぱいお話しし続けたいと思います。


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