私は社会化のドッグトレーナー 第3章

犬の森発 吠える咬む犬の問題行動研究所 @小田原

要求吠え

【要求吠え】はおやつ欲しさの要求と、行動(排泄・のどが渇いた・一緒にいたい お散歩に行きたいとか・・・) 飼育本などに書いてあることですが、 >要求に対しては人間の子どもといっしょです。 >餌が欲しい、何かがしてほしいときに、 >「吠える=要求を満たす」癖がついてしまうと困ります。 >できるだけ目を合わせないようにし無視します。 とか。。。 こんな感じで書いてあるのを見ますね。 とりあえずの記載なのか? さもありなん・・・的。 さらっと読み流すと、全くその通りだと感じてしまいませんか? ただ・・・私は天の邪鬼ですので、その通りに受け取ることはまずありません。 要求するのは人間の子供と同じ。 まあ確かに・・・でもこういう時ばかり擬人化するのはどうなの? とか。。。 >餌が欲しい、何かがしてほしいときに、 「吠える=要求を満たす」癖がついてしまうと困ります。 確かに。 そういう犬もいるでしょうね。 >できるだけ目を合わせないようにし無視します。 ただ・・・ この無視の仕方にはコツがあります。 では・・・どうしていくか? 要求されやすい人と、要求されにくい人がいると思います。 (この場合の要求とは吠えて我を通そうとする、という要求の仕方。) その違いを考えますね。 違いを考えると、要求吠えにどうすればいいかが見えてくると思いますので。 犬は般化が苦手、区別が上手です。 要求をやすやす聞く人のことはそういう人だと区別しますから。 犬が吠えて、人が食べているもの(この場合はお芋だとします。犬にあげても問題が ないと思われるもの。)が欲しいケースを考えましょう。 最悪な例は 犬が吠えた。 吠え止ませようと、お芋を食べさせた。 というもの。 これは吠えればもらえること、吠えの強化には最高の方法でしょう。 また・・・ 犬が断続的に吠えている状態の時に、吠えに「NO」 次に吠えが止まった瞬間に「YES」でお芋。 これは・・・? 実は犬の頭に中はず~っと興奮状態なので、たとえ瞬間的に吠えが止んでいる状態でも お芋をあげれば、興奮(=吠え)→お芋がもらえた、となって もらえるまで興奮状態が続いてしまいがちです。 意外にこの状態にさせている飼い主さんは多いですよね。 犬を冷静に待たせるためには。 そこに犬がいないかのように黙々と食べる。 犬をチラ見しない。声もかけません。 ただ・・・無視と違うのは、食べ終わったときに 「はい、どうぞ」 とお芋をあげるから。 最初は興奮していても、そういう経験をたくさん積むと 次第に落ち着いて待っていられるようになります。 「ママは必ずくれる。」 「今はもらう時ではない」 とか。考えられるようになると思います。 (また、人側のあげなきゃいけない、という思いが犬を落ち着かせなくさせる とも言えるのかもしれないですね。 思いが強い分、教育的無視にはなっていないでしょうから。) 飼い主さんの落ち着きや取り決めを守るという態度が 犬にとっての安心感なのだと思うんですね。 おやつをあげるあげない、ということではなく方法と、心構えだと思います。 また・・・ 卑しくなるからおやつをあげない、と言われる方がいらっしゃいますが それは違うと私は思います。 犬は遥か昔、もともと自分たちだけで生きることを捨てて、人のそばにやってきたのは おこぼれをもらって生きるため。(楽に生きるためです。楽に生きるのは悪いことではなくて 人間の発明も、人類が楽に生きられるためだからでしょう?) その代わりに自分たちの出来る仕事をする、 そういうギブアンドテイクの精神が DNAの中にインプットされているのではないか、 というように思っています。 人はその期待に応えたいから犬をこんなにも求めるのではないかな?とか。。。 だから、要求には応えるべきだ、と思うんです。 ただ、先ほども無視について書きましたが、応え方、なんでしょう。 知恵、のようなものですよね。 応えたいから、吠える理由を知りたいと思うわけですので そうすると、吠えに対して何となく寛容になって来ませんか? 寛容さは犬に落ち着きを与える最高のしつけだと思います。

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