褒めを完結させていないペアーには、「ノー」を使わせません。
今日はこれをお話します。
この法則は私と生徒さんの犬という関係にもあてはまります。
どういうことか・・・ということですが。
叱り、ということ。
「ノー」ですね。これを使うか、使わないか、使うとするといつ、使うか。
です・・・。
この布石のための、これまでの褒めのお話だったわけです。
私が叱らない人だとは言っていませんね。
自分の犬は叱る、とお話ししましたね?
なぜ、叱ってもいいか。
私との間に絆が出来ているからです。
親子関係にも似た信頼関係ですね。
これは、犬を迎えたからといってできるものではなく、
毎日世話をすればできるか・・・といえばそういうものでもなく。
絶対的な安心感のなかに犬が暮らせて初めて絆ができ始める、
のだと思います。
なので・・・でも、
私たち人間は、決して母犬のように教育できません。
教育できないとは、犬に禁止を与えることが下手、であるということです。
犬には犬の方法で、禁止や抑制を教えられるので、
人間の常識の「叱り方」では犬に恐怖や、怒りを植え付けるだけに終わってしまっているのかもしれません。
そうすると・・・
ばたばた落ち着かない仔は、いつまでも落ち着かないのですよね。
また、「ノー」と言っても聞く耳を一切持たない・・・
「あなたに叱られたって心に響かない」
のかもしれない。
理想的な叱りとは、
「ノー」
で行動が止められること。動きを止めて犬が
「な~に♪」
と見上げたり、またはしまった、という顔をする。
そして出来れば、とことこあなたのそばにやって来て欲しい・・・
決して逃げていかない。
逃げてしまうのは・・・恐怖があるのですね。
絆が出来ると、この理想的な叱りが出来るはずです。
反対に言うと、「ノー」で犬がイライラするのは、
絆作りの途上であるということ。途上であるのなら、
叱りは封印して、褒め褒め作戦で行った方が、遠回りのようで
遠回りではないと思います。
究極的に言ってしまうと・・・
犬は物分かりのいい仔ばかりではありませんので、
必ず、叱りは必要なんです。
特に、親離れの早すぎる仔たちは、ルールがわかっていませんので、
まず、犬としてのルールを教えていかないといけないですよね。
また、幼児や小動物、他の犬に慣れていない場合は(社会化が出来ていない場合)
幾度となく危険な場面が訪れるはずです。
理想的には回避したり、予防したり・・・できればいいのですが
皆で生きていると、ハプニングはつきもので、
その場合、どうしても危険を避けるために「ノー」は必要です。
ただ!
絆が出来ていなければ後遺症が心配なのです。
だから、
生徒さんには極力、褒めだけで踏ん張っていただいています。
私も生徒さんがたの犬には褒めだけで対応しています。
理由は・・・絆がまだ出来上がっていないから。
「ノー」
を有効にするための褒めです。
「ノー」が恐怖ではなく、いらつきの素でもなく、
行動を中止させるための道具とするためのトレーニングが
褒めのトレーニングだと思っています。