ザ・カルチャークラッシュ―ヒト文化とイヌ文化の衝突 動物の学習理論と行動科学
- 作者: 水越美奈,ジーン・ドナルドソン
- 出版社/メーカー: レッドハート
- 発売日: 2013/03/01
- メディア: 単行本
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以前にもご紹介しました。
なぜトイレトレーニングにこのトレーニング本?
と思われますか?
この本の第4章からの行動問題と解決法をご紹介したかったからです。
本当は教科書としてお手元に置きながら
学習していただきたいくらいなんですね。
でも、そうも言っていられませんので抜粋してご紹介しましょう。
P142から
人間よりもはるかに高い知性を持つ生物が暮らす惑星(仮にゴーン星と呼ぶ)があり、あなたはゴーン星人に飼われているペットだと仮定しよう。
この星では人間はゴーン星人のコンパニオンアニマルである。
ゴーン星人ハゴーン星人はテレパシーと目の動き、それに甲高いキーキー音を複雑に組み合わせて意志を通わせている。
しかし言語を意思疎通の手段とする人間の頭では、ゴーン星人の言っていることはちんぷんかんぷんである。
ただこれまでの経験から、いくつかの音の意味は聞き分ける事が出来る。
ゴーン星人と人間は強い絆で結ばれているが、ゴーン星人の社会には人間が守らなければならないルールがたくさんある。
人間は限られた情報からルールの内容を理解しなくてはならないが、果たしてその解釈が正しいかどうかは出たとこ勝負である。
さらに続けますが・・・
どうですか?人間と犬の関係に似ていませんか?
・・・飼い主の家であるゴーン星人の家には、陶器の鉢がたくさん置かれている。
器には水が入っていて、水が流れる仕組みになっている。
しかしその器で用を足そうとすると、必ず近くにいるゴーン星人が飛んできて、思いっきり叱られる。
だからあなたは、ゴーン星人が留守の間にしか、そのトイレのようなものを使わないようにしている。
飼い主が帰宅すると時々トイレの中に頭を突っ込まれるが、その理由はさっぱりわからない。・・・
長くなりましたね。
これ・・・人間を犬に置き換えて考えると、
我々はとんでもない間違いを犬に犯していると
そう思いませんか?
どんなトレーニングをする時も
忘れてはいけない事は、
犬はわかっているのだろうか?
と常に気を配ってあげる事です。
わかっていないのに、失敗したからといって
叱ったり、がっかりしたりする事が続けば、
犬の混乱は避けられません。
犬がした間違いを正さなくてはいけないはずなのに、
犬に罰を与えるのはいかがでしょうか?
行動を正さなければいけないのに、犬を罰すればどうなりますか?
犬はあなたを恐れるでしょう。
要領のいい犬はおべっかを使うかもしれません。
いや、要領の良い態度に見えますが実は犬の
カーミングシグナルかもしれませんね。
天罰療法も要注意です。
あなたを恐れないかもしれませんが、この先いつか
何かを
恐れるようになるかもしれません。
その場での成功に気をよくするのは危険です。
知識を蓄えましょう。
犬は最高の友達。その友達の本当の姿を知るためには
知識も大切だと思いますので。
犬について学ぶということは犬を知ること。
知ることで防げる犬の失敗は多いです。
また、犬とはそういうものか~、と考えられれば
怒りも無闇やたらに湧いてきませんよね。多分
問題行動の末に、犬を捨てたり、
捨てはしないけれど、精神的に捨てたり・・・
不幸な犬を作らないように、
少しずつでも学んで
悩んでいる方に、正しい方法をアドバイスできるように
頑張ってみましょう。